韓国の人々はなぜあれほどまでに竹島にこだわるのだろう。大統領が竹島に渡ったことは政治的なパフォーマンスと見てよいと思うが、芸能人が水泳リレーで竹島に渡ったなどといったニュースを聞くと、韓国人の竹島へのこだわりがよく分かる。
中国の若者も負けてはいない。自分の儲けにならないことはしないはずの中国人が、尖閣諸島は中国のものだなどといったプラカードを掲げて行進している。
その背景について、いろいろなコメントを聞く。竹島へのこだわりは韓国が竹島問題を日本の植民地支配の象徴として見ているためであり、また中国のデモは反日デモではなく当局が管理するいわば官制デモである。その目的は若者の鬱憤晴らしにあるなどである。
ただ、韓国人や中国人が熱くなっている様子はニュース映像を見ただけでも分かる。領土問題に関しては、植民地支配への恨みや管制デモというだけでは片づけられない、なにか熱いものがあるようだ。
戦争の原因の大半は領土問題
熱くなっているのは韓国人や中国人だけではない。日本人も熱くなっている。進歩的と見なされているマスコミも、尖閣諸島や竹島が日本固有の領土であることを強調している。
普段なら、平和憲法を持つ国であるから日本の言い分を言うだけでなく中国の言い分も聞いて、譲るべきものは譲らなければいけない、などといったことを言い出しかねない某政党の幹部も、この問題では沈黙を守っている。ましてや、尖閣諸島や竹島は軍国主義時代に日本が勝手に領有を宣言したものだから、中国や韓国に返すべきだなどといった意見を聞くことはない。
それは、多くの国民が領土問題で譲歩するなどとんでもないことだと考えているためであろう。テレビの解説なども、国民のそのような感情を十分に考慮しているように見える。
人はなぜ領土問題で、これほど熱くなるのだろう。日本人や中国人、韓国人だけではない。中国は島の領有を巡ってベトナムやフィリピンと対立している。中東問題の根っこにもパレスチナの領土問題がある。歴史を振り返れば、戦争の原因の大半は領土問題であった。人類は領土問題になると俄然熱くなるのだ。
かつて領土を奪われたら人々は餓死した
なぜかくも熱くなるのか。そのことについてもう少し考えてみたい。