中国で四川大地震が発生した2008年5月の時点から早くも4年が経過した。地震発生から3カ月後8月13日の朝日新聞に「心も家も遠い再生」という記事が載った。そして一般民衆の生活基盤の復興については、断片的な資料が記事になった。
しかし、中国人民のDNAを考えると住民地域復興が本格化されるのは遠い先か、無視されるのではないかと懸念された。
そこで筆者が捉え得た情報を基に、中国の核開発の中心地である四川省に発生した地震によって大きな被害が発生している可能性、予想される被害の実態などについて述べる。
人命よりも重視されている核兵器関連施設の被害復旧対策を確認したいし、それら核施設修復を国民の救護より優先している政権の態度と、その実態を明らかにしたい。
1.地震被害復旧の現況
中国指導部の会議では、即座に核兵器施設爆発と放射能および水質汚染防止の応急対策を決定したとして、環境保護部副部長の李幹傑氏が、「環監局核安全司の関係人員と、核安全・汚染防止対策関連の専門家からなる21人の環境専門家らを率いて地震被災地域に入り、環境応急救援工作を指導している」と述べていた。
環境保護部統一部署の発表によると、「西南、西北環境督察センターと四川核安全監督所の関係者が、直ちに地震で被害の深刻な地域に入り、協力して現地の環境応急工作に当たっている」と述べていた。そして、次に示す緊急通知と称するものが報道された。
(1)環境保護部は、13日、四川、寧夏、甘粛、青海、陝西、山西、重慶、江蘇、湖北、雲南、貴州、西藏などに、関係者を派遣し、
(2)各級環境保護部門は厳密に核施設の環境を監督コントロールし、核と放射能の安全について1つの失敗もないよう確保し、
(3)化学製品工場、危険化学品、汚水処理場など環境に敏感な施設と地域の関連情報を即座に把握し、さらに大きな環境汚染事故とならないよう可能な限り防備し、コントロールせよ。