かねて噂されている「アイフォーン(iPhone)の新モデル」を米アップルが12日(米国時間)に発表すると見られており、ここ最近はこの話題で持ち切りだ。だが一部のメディアはこの状況を冷静に見ている。
アップルはライバルの韓国サムスン電子などと異なり、スマートフォンは1種類だけを手がけるメーカー。しかもその市場投入のタイミングは1年に1度だけだ。
うまく消費者の期待に応えられる製品を出せればよいが、期待値も高まっており、落胆のリスクも高い。失敗すればその影響は1年続くことになる。
同社がアイフォーンの初代機を発売した2007年時点の当初販売目標は年間1000万台。しかしアイフォーンは今年1~3月期だけでも3500万台、昨年10~12月期では3700万台売れている。その収入は同社全売上高の5割超を占め、利益では約7割をもらたしている。
今のアイフォーンはアップルの業績や株価を大きく左右する超大型商品。もはや失敗が許されないという状況だ。
米GDPを最大0.5ポイント押し上げる効果
アップル製品の市場動向に詳しい米調査会社パイファー・ジャフリーのジーン・マンスター氏は、9月下旬の10日間で600万台から1000万台のアイフォーンが売れると予測している。
JPモルガンのチーフエコノミスト、マイケル・フェローリ氏も、新型アイフォーンの売上高が今年10~12月期の米国内総生産(GDP)を最大0.5ポイント押し上げると試算するなど、期待が高まっている。
しかし、ここには落とし穴もあると指摘するのは、米ウォールストリート・ジャーナルの10日付の記事。