市場調査会社の米ガートナーと米IDCが11日にそれぞれ世界のパソコン市場に関する調査結果を公表したが、その内容がパソコンメーカーにとって大変ショッキングなものになっている。
この4~6月期のパソコン出荷台数は8750万台にとどまり、ガートナー、IDCともに前年比0.1%減という数値となった。
ガートナーによれば、これで世界のパソコン市場は、ゼロ成長あるいは1桁増という低成長が7四半期続いたことになる。世界経済の先行き不透明感に加え、消費者のパソコン購入への関心の低下が主な原因という。
期待のウルトラブック、成果出せず
米アップルの薄型ノートパソコン「マックブック・エア(MacBook Air)」の成功に倣い、自社のマイクロプロセッサーの需要を高めようと米インテルが「ウルトラブック(Ultrabook)」を提唱し、メーカー各社に開発、製造を働きかけている。
しかし、この期待の製品セグメントがまだ本格普及の段階には達していないというのがガートナーとIDCの見解だ。
その理由は様々に考えられるが、ガートナーの主席アナリスト、北川美佳子氏は「消費者の間で、スマートフォンやメディアタブレットなどパソコン以外の機器の購入が進むなか、パソコンへの支出については関心が弱まっている」と説明している。
一方、IDCは米マイクロソフトの次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」への期待から買い控えが起こっていることに加え、ウルトラブックの低価格化が十分に進んでいないことを理由に挙げている。