日本人のカップルが離婚しない「理由その1」は、当然のことながら「まだ好きだから」が挙げられます。砂時計の砂は刻々と落ちてはいますが、まだ落ち切ってはいないということです。

 男女間の性差も存在しますし、結婚生活の長さも関係しますし、第1部で分析したにおいとか見かけとか、さまざまな要因によって、「まだ好き」の程度が決まってきます。

 まだ好きという状態、素晴らしいです。ずっと続けばなお素晴らしいことです。でも、もし「まだ好き」という状態でしたら、少なくとも「好き度」が低下していることは自覚しているということになります。

図1:恋愛バブルと離婚願望(曲線は恋愛バブル曲線)
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 グラフで示せば、何が言いたいのか分かっていただけるはずです。前に「恋愛バブルと男のプロポーズ」と題して、右のような図を示しました。

 男がいつの時点でプロポーズすることを決めるのかの意思決定を、恋愛バブル曲線を用いて説明したのでした。

 さて、その恋愛バブル曲線には、その続きがあります。首尾よく、男がプロポーズをして、女が受け入れて結婚して夫婦生活に入ったとします。

 結婚したのが、図の曲線のピークだったとしましょう。恋愛感情はいずれかの時点で弾けて、下降していきます。だんだんと砂時計の砂が落ちるようになくなっていきます。

 結婚したときは、

●「好きだから結婚する」でした。その後は、
●「まだ好きだから、結婚にとどまる」となります。

 図の曲線の下降途上では、いずれ

●「嫌いじゃないから、離婚しない」となるはずです。そのうち、
●「好きではないけれど、離婚はしたくない」になり、

●「嫌いだけど、離婚はしない(できない)」から、さらに最終段階の
●「とても嫌いだから、離婚したい」に変わっていくことが考えられます。