「若者の間には4年前のような熱気はないですね」

 6月8日、米首都ワシントンの連邦議会レイバーン下院議員会館の一室。選挙問題の会合で出会った青年は、「オバマ・フィーバー」がすでに過去のものになったと静かに言った。それではバラク・オバマ大統領の今年の再選は危ういのだろうか。

24歳までの若者の66%がオバマ大統領に投票

数字で見るフェイスブック

オバマ大統領誕生の立役者だったのがSNS〔AFPBB News

 2008年、米国史上初の黒人大統領を誕生させた原動力の1つが若者の力だった。若者の力という抽象的な言葉は、実は数字で示すことができる。

 その年、18歳から24歳までの総投票数の実に66%がオバマ氏に流れた。

 若者に政治への興味を持たせ、投票所に足を運ばせた点は紛れもない事実である。2004年と2008年の大統領選の投票率を比較しても、18歳から24歳までの年齢層で、45%から56%に伸びている。

 それはちょうど米国の若者の間でソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が多用され始めた時期と重なる。

 フィスブックとツイッターでオバマ氏の一挙手一投足を追うことが1つのファッションになった。オバマ氏こそが若者の代弁者であり、変革の具現者として期待された。

 4年後の今、リーマン・ショックによる不況の影響は遠のきつつあるが、完全な景気回復までには至っていない。ジョージ・W・ブッシュ大統領による独断的な外交・軍事政策によって受けた米国の負のイメージは、オバマ大統領の登場で少しずつ回復してきた。

 しかしオバマ大統領をもう一度担ぎ上げ、4年前の祭りの熱狂を再現しようとの強い思い入れはない。あの時の若者たちはどこへ行ったのだろうか。

 前出の数字と比較したい統計がある。