米アマゾン・ドットコムがタブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」をいよいよ米国外で発売するとの観測が流れている。その根拠とされるのが、同社が20日に開発者向けに出したプレス発表。ここで同社は、米国外のユーザーに向けたタブレット端末用アプリを募集すると発表した。

当初は5カ国、さらなる進出も

ライバルひしめくタブレット市場、各製品の特徴は?

アマゾンのタブレット端末「キンドル・ファイア」〔AFPBB News

 アマゾンにはキンドル・ファイアをはじめとする、グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載端末向けアプリのオンラインストア「アマゾン・アップストア(Amazon Appstore)」がある。

 アマゾンはここで配信される国際版アプリの受け付けを開始したのだ。

 当初対象となる国は、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインで、アプリの配信は今夏より始める予定。まだ対象は5カ国のみだが、近い将来世界展開を拡大すると言っており、より広い市場への進出を狙っているようだ。

 また開発者専用のウェブサイトでは、既に各国の言語への対応に関する案内なども掲載している。

 アマゾン・アップストアは、他社製アンドロイド端末でも利用できる。しかし、キンドル・ファイアという自社端末を持つ同社がアプリ配信を海外展開するということは、当然ながら端末も間もなく海外展開するのではないかと見られている。

シェア拡大には海外展開が不可欠

 市場調査会社の米IDCによると、キンドル・ファイアは昨年10~12月期に初めて市場投入され、480万台を出荷した。そのシェアは16.8%と、米アップルの「アイパッド(iPad)」(68%)に次ぐ2位となった。しかし今年1~3月期になるとシェアは4%にまで低下し、順位も3位に後退した。

 キンドル・ファイアは1年で最も消費が旺盛になる年末のホリデーシーズンに支えられて台数が伸びたが、1~3月期はその反動で大きく落ち込んだ。同社が今後シェアを大きく伸ばすためには、海外展開が不可欠だと指摘されている。