今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は元産経新聞記者の今西和貴氏を交え、生活保護受給問題や塾生絞り込みが大詰めを迎えた維新政治塾、橋下徹大阪市長を取り上げた米ワシントン・ポスト紙の話題などについて語った。

片山議員は河本氏を利用して厚生省の怠慢にメスを入れようとした?

中山 この1週間、大阪に関係するニュースが目立ちますが、まずはお笑いコンビ・次長課長の河本(準一)氏が、母親の生活保護不正受給問題で謝罪会見を開いた一件から。今西さんはこの騒動をどう見ていますか。

小宮山厚労相は25日、生活保護法改正を検討する考えを示した(撮影:前田せいめい)

今西 大きな問題だと思います。大阪ではこういうかたちで意図的に生活保護を受給している方が特に多いですから。今後、一斉調査をするという話もありますので、徹底的にやってはどうかと思いますね。

中山 この問題は、河本氏の推定年収が約5000万円でありながら母親が生活保護を受給している事実を、自民党の片山(さつき)議員が指摘したことで大きく取り上げられました。

 メディアでは「プライバシーの侵害だ」という意見もありますが、河本氏は公人に近い立場の人間です。今は多くの著名人がメディアを使って情報を発信する時代ですから、余計にモラルを追及されてもおかしくありません。

 また、これは片山議員がやるべきことだったのかと疑問に思う方も多いはず。本来なら厚労省から移管されている自治体の現場職員がしっかり補足調査をする必要があります。しかし、それが機能していないと考えた片山氏は、この一件をテコに現状を打破したかったのではないか。言葉は悪いですが、そのために河本氏を利用したという見方もできます。

 先日、自民党の部会で生活保護問題を担当する世耕(弘成)議員の講演を聴く機会がありました。世耕さんの話では、吉本興業とは事前にやりとりがあり、吉本側の弁護士は当初「プライバシーの侵害で訴える」と強い態度を示したのだとか。

 それに対し世耕氏は「そういう対応は河本氏のためにならない」と切り返し、「政治家は事件や不名誉なことに巻き込まれた場合、潔く謝罪会見を開きます。河本氏もそうした方が将来のためでは」と説得したそうです。

 その話を受けた吉本興行が、一歩引き下がるかたちで事態を収束させたのでしょう。いずれにしてもこれは氷山の一角で、もっとたちの悪い事例は存在しますから、生活保護受給のグレーゾーンにはしっかり切り込んでいってほしいですね。

先にカネありきを教えるようでは、政治塾ではなく“錬金塾”

中山 続いては大阪維新の会の話題。先日、産経ニュースに「維新政治塾『受講生』を面接 衆院選準備加速 選挙資金で『金の話ばかり』の声も」という記事がありました。