今回も前回と同じく、「海外通貨への有利な両替の仕方」についてお話ししたい。
「支払いにはできるだけカードを使い、現金はATMでカードキャッシング」が一番良いと申し上げた。今回はその論拠を1つずつ検証する。
●クレジットカード
支払いにクレジットカードを利用することは、「交換レート・利便性(手間)・安全性」という諸項目で一番有利な両替手法であると言える。
カード利用の決済レートには、前回申し上げたように有利なTTMレート(クレジットカード会社設定のもので、銀行のものよりも若干不利?)が適用され、これにクレジットカード会社の事務手数料を加算した金額が請求される。
主だったカード会社の事務手数料は以下のようになっているとされる: VISA:1.63%、Master:1.63%、JCB:1.6%。
上記だけでも他の外貨両替手段よりも大いにお得だが、クレジットカード利用には、“余禄”がある。
それはカード利用額に応じ、マイルやポイントを獲得できるということだ。
連載第7回でも記したように、マイル還元率の高いクレジットカード(日系航空会社の提携ゴールドカードなど)を利用すると、利用額の2%程度(1マイル=2円と仮定した場合)が還元されるので、実際は、為替手数料を払うどころか、お釣りが来るという計算になる。
しかも、このカード利用による手数料率は、USドル圏やユーロ圏に限らず、日本円からの両替手数料が高くなりがちな新興国も含め、世界中どこでも同一であることもポイントである。
ちなみに、為替レートは、カード利用日ではなく、カード利用代金のデータがカード会社決済センターに届いた換算日(利用日の1~3日後)のものが用いられる。
●クレジットカードでATMキャッシング
カードが使えない買い物やサービスの支払い(タクシー代やチップなど)のために、外国では現金もいくらかは必要となる。
そんな場合は、現地空港の銀行窓口などで両替するより、ATMでキャッシングされることをお勧めする。