5月19日、複数の海外メディアが、米グーグルによる米モトローラ・モビリティ・ホールディングスの買収を中国の独禁当局が承認したと報じた。

グーグルのモトローラ買収、欧州委員会と米司法省が承認

米モトローラ・モビリティのロゴ〔AFPBB News

 当局はグーグルが今後5年間、同社のモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を無償で中国の端末メーカーに提供するという条件の下、買収を許可した。

 グーグルも当局の判断を歓迎しており「買収手続きが完了できることを嬉しく思う」とコメントしている。

 グーグルがモトローラ・モビリティを総額125億ドルで買収すると発表したのは昨年の8月。これはグーグル史上最大の買収案件で、米ニューヨーク・タイムズによると、同社が過去に行った185件すべての買収金額を合わせた金額よりも大きい。

 この買収を巡っては、モバイルOSを持つグーグルが端末メーカーを傘下に収めることで、競合メーカーを市場から締め出すのではないかと懸念されていたが、今年2月、米司法省(DOJ)と欧州委員会(EC)がそれぞれ「競争を著しく阻害する恐れはない」と判断し、承認した

 グーグルはその後、最大の難関とされた中国当局の承認を待っていたが、それがようやく実現するというわけだ。ニューヨーク・タイムズによれば、グーグルは5月21日の週にも買収手続きを完了する見込みだ。

さらなる無償化義務づける可能性も

 グーグルはアンドロイドを無料の「オープンソースソフト」として端末メーカーに提供し、その代わり端末のユーザーに検索サービスやアプリなどを使ってもらい、それによって得られる広告収入で稼ぐというビジネスモデルを展開している。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、中国の独禁当局が最も懸念していたのは、グーグルによる特定のメーカーに対する差別的な待遇。

 同国にはZTEやファーウエイといった携帯電話メーカーがあり、いずれもアンドロイド端末を開発、販売しているが、グーグルは、韓国サムスン電子などと連携を強めており、最新のアンドロイドをいち早く提供している。