前回の当コラム、「東電は国民をわざと怒らせているのか」に添付したアンケート、「2015年の日本を考える」には537件もの回答が寄せられた。JBpressで実施されたアンケートの中でも上位に入る回答数とのことで、読者の方々のご協力に感謝申しあげたい。

 また、問1「復興を妨げている要因」と、問6「少子化の打開策」については、こちらから挙げた選択肢以外にも自由回答として多数のご意見をいただいた。

 今回は、アンケートの集計結果を紹介しながら、イズメディアモールで連載中の小説『日本消滅』で意図していることを述べてゆきたい。

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 その前に、一つだけ寄り道をすれば、石原慎太郎東京都知事による尖閣諸島購入表明が物議を醸している。

 『日本消滅』においても、「岩村伸太郎」なる都知事が舌禍を恐れぬ発言で中国・韓国から反発を買っているのだが、私はアンケートの問4で、領土問題について設問をしていた。

 これは、東アジア地域で進行中の、日韓中ロのパワーバランスの変化が領土問題として顕在化する危険を見越しての設問だったのだが、思いがけないかたちで「予言」が当たり、私は驚いている。

 予想の的中を誇る気持ちもないではないが、近い将来に否応なく訪れるであろう周辺諸国との摩擦を思うと、胃が痛くなる。しかし、必ず起きることなら、あらかじめ展開を予想して、いざという場合に動揺しないように神経を慣らしておくにかぎる。

 『日本消滅』に取り組んでいる第一の目的はそれで、私なりの分析により、今から3年後の2015年の政治・経済情勢を見立てて近未来政治小説を描いているのだが、これまでのところ現実の動きが小説をなぞるように進行していて、ちょっと気味が悪いほどである。

 お疑いの方は、ぜひ『日本消滅』をお読みいただきたい。