米IDCが13日までにまとめた市場調査によると、今年1年間におけるタブレット端末の世界出荷台数は1億610万台となり、同社の事前予測値、8770万台を大幅に上回る見通しだ。

 米アップルがまもなく市場投入する「アイパッド(iPad)」の新モデルをはじめ、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載端末の需要が高まることがその理由で、タブレット市場は活況を呈すと報告している。

アイパッドのシェアはダントツの54.7%

アップル、新型iPadを発表 従来機種は値下げ

新型iPadを紹介するアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO、2012年3月7日)〔AFPBB News

 昨年10~12月期の市場動向を振り返ると、3カ月間の出荷台数は2820万台で、前の四半期から56.1%増、1年前から155%増となった。タブレットは世界の多くの地域や様々な価格帯で予想を上回る伸びを示したという。

 またメーカー別出荷台数を見ると、アップルが1540万台となり、同社の世界市場シェアは54.7%でトップ。「キンドル・ファイヤ(Kindle Fire)」を市場投入した米アマゾン・ドットコムは470万台を出荷し、シェアは16.8%だった。

 3位は韓国サムスン電子でシェアは5.8%。4位は大手書店チェーンの米バーンズ&ノーブル(シェア3.5%)、5位には最近タブレット市場にも進出したデジタルフォトフレームのメーカー、米パンデジタル(2.5%)が入った。

 パソコン出荷台数の伸びが鈍化する中、タブレットは急成長しており、この傾向は今後も続くとIDCは見ている。中でもアイパッドは1年前に比べ110.5%増えており注目に値するという。

新型アイパッド、法人市場に浸透へ

 こうして見ると、タブレットは今後、パソコンも含めたIT業界全体の勢力図に大きな影響を及ぼしそうだ。

 米マイクロソフトが先頃、タブレットにも対応した新OS「ウィンドウズ(Windows)8」の一般向けプレビュー版を公開したが、その最初の製品が市場に出るのは今年後半、あるいは来年初めになると見込まれている。