フィンランドのノキアは7日、年末までに世界の製造拠点で4000人を削減すると発表した。3つの工場で、それぞれ従業員を半分以上減らす。組立施設をアジアの部品メーカーの拠点近くに置くことで、製品の迅速な市場投入が可能になり、競争力が高まると期待している。
対象は欧州・米州向けスマートフォン工場
対象となるのはいずれもスマートフォンの組立工場。
ハンガリーのコマロム工場で従業員の約50%に当たる2300人を、メキシコのレイノサ工場で同70%に当たる700人、フィンランドのサロ工場で約60%の1000人を削減する計画だ。
これらの工場では、欧州や米州向けスマートフォンの組み立てを行っているが、今後は組み立て済みの製品を各国の言語や地図、アプリケーションに対応させるカスタマイズ業務に重点を置く。一方で、組立業務は韓国・馬山工場や中国・北京工場に移管する。
過去1年で1万4000人削減
ノキアは、昨年4月に約7000人、9月に約3500人を削減するリストラ策を発表していた。
基本ソフト(OS)「シンビアン(Symbian)」の関連業務を米コンサルティング大手のアクセンチュアに移管するのに伴い、中国、フィンランド、インド、英国、米国の従業員3000人を削減したほか、デンマーク、フィンランド、英国を対象に2012年末までに約4000人を削減するとしていた。
このほか、フィーチャーフォン(従来型多機能携帯電話)を製造するルーマニア工場の閉鎖などに関連し、2012年中に合計3500人を削減する計画を明らかにしていた。