携帯電話の出荷台数で世界トップのフィンランド・ノキアが、また大規模なリストラ策を発表した。同社は今年4月に約7000人を削減する計画を明らかにしていたが、今度はその次の段階という位置付けで、約3500人を削減する。
同社のスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)兼社長は、「痛みを伴うが、戦略に基づいた組織再編、人員配置を行うために必要なステップ」と、計画の重要性を強調している。
フィーチャーフォンの製造をアジアにシフト
同社はフィーチャーフォンと言われる比較的安価な従来型携帯電話を製造しているルーマニアのクルージュ工場を年末までに閉鎖する。
これに代わってフィーチャーフォンの部品供給業者や顧客の多いアジアに製造施設を移す。これにより約2200人が削減されることになる。
さらに、地図/電子商取引事業の開発部門でも人員を減らす。開発部門をドイツのベルリンや米国のボストン、シカゴに集中させ、ドイツのボンなどの施設を閉鎖する。こちらは2012年に約1300人が削減対象になると見込んでいる。
このほか、フィンランド、ハンガリー、メキシコの製造部門についても長期的な役割を検討するとしており、来年の1~3月期にも具体的な削減数を明らかにする方針。
これらの工場は今後も欧州や北米向けスマートフォンの重要な製造拠点であることには変わりはないが、徐々に特定の顧客、市場に向けたソフトウエアなどの分野に焦点を移していくとしている。