今週の第1位は、先週から引き続いて『瀕死のコダックと飛躍する富士フイルム~古森重隆 富士フィルムHD社長は何をしたのか』だった。非常に変化の激しい次代、経営者のアイデアと決断力・統率力の差が企業の明暗を分けることに読者の関心が高まっていることを如実に示していると言えそうだ。
ギリシャ危機に関心が集まる
第2位と第3位はギリシャ問題が続いた。エコノミスト誌の『ギリシャ人の嘆き:地中海ブルース~貧困に追い込まれるギリシャ人、なのに公務員は・・・』が2位、フィナンシャル・タイムズ紙の『パンドラの箱を開けたギリシャ債務削減交渉~3月の大量償還に間に合わない』が3位だった。
ギリシャの債務問題に関する記事がランキング上位に並んだのは、やはりユーロ危機に対しての関心の高さだろう。ギリシャが、債務不履行、いわゆるデフォルトを回避するためには、民間の債権保有者に債務交換の同意を取り付ける必要がある。
しかし、その交渉が3月20日に期限切れとなる145億ユーロの国債償還までに成立する可能性は低いという見方を、フィナンシャル・タイムズ紙は『パンドラの箱を開けたギリシャ債務削減交渉』で伝えている。
英国エコノミスト誌の『ギリシャ人の嘆き:地中海ブルース』では、経済の落込みが続き、窃盗や不法侵入などの犯罪が急増、ホームレスが2008年から25%も増加したギリシャの現状について解説している。
ギリシャは、2010年5月に財政危機への最初の救済を受けて以来、政府が緊縮措置と大幅な増税を行ったため、国民は辛うじて生活ができるかどうかという状況に追い込まれている。
日本もギリシャのことを対岸の火事として見ることはできない。国債の償還のために、償還分の国債を発行するという国家的な自転車操業状態を続けているからだ。
ランキングベストテンに入った『国債暴落のXデーはやってくるのか』では、今後7~8年で国債暴落の危機が到来する可能性が、自民党の「X-dayプロジェクト」報告書で言及されていることを紹介している。