お酢系飲料で歯が溶ける?

飲み物のリスクにも要注意

2011.11.14(Mon) 坂本紗有見
筆者プロフィール&コラム概要

 お酢の健康効果にケチをつけるつもりは毛頭ありません。ただ、「酸」には歯の表面のエナメル質を溶かしてしまう副作用があることを忘れないで下さい。

 歯が溶けるのを恐れて、「酢の物」や「酢豚」を封印する必要はありません。食事をしっかり噛んで食べれば、唾液が酸を中和して、酸性に傾いた口の中を中性に戻してくれます。また、唾液にはエナメル質を修復(再石灰化)する成分も含まれているので、通常の食事をしていて歯が溶けてしまうことは考えられません。

お酢系ドリンク、「飲んだらうがい」を忘れずに!

 ところが飲み物を飲む時は、噛まないので、あまり唾液が出ていません。中和作用の無いまま、酸がダイレクトに口の中に広がってしまいます。もちろん、たった1度飲んだだけで歯が溶けるわけではありませんが、お酢を飲む人は健康意識が高く「毎朝ウォーキングの後に」とか「風呂上がりに」などマジメに習慣的に飲んでいる人が多いので、毎日、口の中が「酸」の危険にさらされることになります。「せっかく健康のために酢を飲む習慣をつけたのに、歯が溶けてしまった」なんて、笑うに笑えません。

 歯の表面はエナメル質という硬い層でできていて、強固な鎧の役割を果たしています。このエナメル層が溶け出すということは、鎧が壊れて、外敵からの攻撃に弱くなることを意味します。最初に現れる症状は「知覚過敏」です。虫歯でもないのに、冷たいものを飲んだり、歯を磨いたりするとツンと沁みるようになります。

 「虫歯じゃないから」と油断は禁物です。放置していると症状が進み、ひどくなると歯の表面にクレーターのよう小さな陥没ができることがあります。この頃になると、歯が沁みるというよりも、痛みを感じるようになります。当然のことながら、エナメル層が薄くなった部分から虫歯菌が入り込み、虫歯になりやすくなります。また、歯が脆くなって欠けやすくなったり、歯の表面が黄ばんで見えたりします。

 そこで、健康のためにお酢を飲むならば、歯の健康も守る飲み方を心掛けて下さい。仕事をしながらコーヒーをダラダラ飲みするのと同様、お酢ドリンクも、チビチビ30分かけて飲むのは最悪です。できれば、ワンショットでゴクリと飲みきってしまうのが理想的。口全体には広げず、ストローを使って、なるべくノドの奥に流し込むように飲むのもお勧めです。飲み終わったら、よく口をすすいで下さい。それができない場合でも、せめて、水やお茶(もちろん、糖分が入っていないものです!)を口の中全体に転がすようにしながら飲むと、歯の表面についた酸を洗い流すことができます。

 注意すべきはお酢ドリンクだけではありません。赤ワインや、グレープフルーツジュースなど柑橘系の果汁飲料、もちろん、フルーツそのものにも要注意です。「酸」と「糖」のダブル攻撃で口内環境を悪化させます。

 「健康に良いものも、飲み方次第では、歯を溶かす」ということをよくわきまえておいて下さい。

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