その評価が売れ行きに大きな影響を及ぼすと言われる米国の消費者情報誌「コンシューマー・リポート」。同誌は8日、米アップルの最新スマートフォン「アイフォーン(iPhone)4S」を推奨リストに加えたと発表した。
前モデルの「アイフォーン4」にあったような電波受信に関する問題もなく、性能も大きく向上していることから同誌の基準を満たしており「推奨できる」と判断した。
「前モデルのアンテナ問題は未解決」
コンシューマー・リポートは今回、前モデルに行ったのと同じ方法でアイフォーン4Sを試験した。
前モデルでは電波の弱い場所で本体側面左下の黒いスリット部分を指で覆うと信号が著しく低下するという問題があったが、アイフォーン4Sではそのような異常は確認できなかったとしている。
前モデル、アイフォーン4の電波受信問題は、昨年6月末の発売直後から大きな話題になり、物議を醸した。
その後アップルは、問題は電波状態の強弱を判定するソフトウエアの計算式に誤りがあったと説明。これによりディスプレイ上のアンテナバーの数が実際よりも多く表示され、もともと電波が弱い状況下ではどの携帯電話にも見られるように本体の持ち方によって受信感度が低下するなどと弁明した。
その後アップルは本社で記者会見を開き、コンシューマー・リポートが問題解決策として有効と認めた「バンパー(Bumper)」と呼ぶ専用ケースを購入者全員に無償提供すると発表するなど異例の措置を取り、回収・修理を免れたという経緯がある。
しかしそれでもコンシューマー・リポートはアイフォーン4を推奨しなかった。「ケースを用いて初めて携帯電話の基本機能が満足に使えるようになるという設計には疑問が残り、設計上の不具合の解決を消費者に委ねるというのは受け入れ難い」(同誌)というのが理由だ。
「4S」にはバッテリー問題?
一方、アイフォーン4Sについては、バッテリーの持ちが悪いなどと指摘されていたが、コンシューマー・リポートはこれについては検証の結果、特に問題はないと結論付けた。