メディア報道の通り、米アップルは7月16日に米カリフォルニア州クパチーノの本社で記者会見を開き、取り沙汰されている「アイフォーン4(iPhone 4)」の電波受信問題の収拾を図った。
対策として、先に消費者情報誌「コンシューマー・リポート」が問題解決策として有効と認めた「バンパー(Bumper)」と呼ぶ専用ケースを、アイフォーン4を購入したすべてのユーザーを対象に無償提供すると発表。
一方で、アイフォーン4を気に入らないというユーザーには、返品を受け付け、代金を全額返金する。
「他社端末でも同じ現象が起こる」
この会見の模様は同社のウェブサイトに掲載したビデオ映像で公開している。
これを見ると、スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は冒頭で「我々は完全ではない」と切り出した後、アイフォーン4は持ち方によって電波が遮られ、受信感度が低下するという弱点があり、ほかのスマートフォンと同様に完全ではないと説明した。
同氏は、ライバルメーカーのスマートフォンのビデオ映像を会場に映し出し、それら端末本体の両側面下部を覆うようにして手で握った場合に、いずれの端末でも感度状態を表すアンテナバーの数が減っていくという様子を見せた。
そのうえで同氏は、「スマートフォンにはこのような、どのメーカーにも共通の弱点があり、これは業界全体の課題だ」と述べた。
同氏が引き合いに出したライバルメーカーのスマートフォンとは、北米で人気のあるカナダRIM(リサーチ・イン・モーション)の「ブラックベリー(BlackBerry)」、米グーグルのスマートフォンOS「アンドロイド(Android)」を搭載する台湾HTC製「Droid Eris」、「(ウインドウズモバイル)Windows Mobile」搭載の韓国サムスン電子製「オムニア(Omnia)II」の3機種だ。
ライバルが反発「アップルの主張は責任転嫁」
このジョブズCEOの記者会見を受けて、早速ライバルメーカーが反論を始めている。RIMの共同CEO、マイク・ラザリディス氏とジム・バルシリー氏は18日に連名で声明を発表し「誤解を与える説明だ」と強く批判している。