優秀な技術者が「無能化」していく悲劇

日本半導体が陥った「組織のジレンマ」とは

2010.02.16(Tue) 湯之上 隆

日本半導体・敗戦から復興へ

upperline

 筆者は、日本半導体が30年以上何も変わることができないのは、このような組織のジレンマのせいであると考えている。

これはまさに「ピーターの法則」

 筆者は「組織のジレンマを大発見!」と思っていたが、残念ながら(?)40年も昔の1969年に『ピーターの法則 創造的無能のすすめ』(ローレンス・J・ピーター著、ダイヤモンド社)として発表されていた。その内容の一部を紹介しよう。

(1)階層社会では、

・全ての人は(現在の地位において有能ならば)昇進する。
・(いずれは)その人の「無能レベル」に到達する。
・職務を遂行する能力がなくなると、それ以上は昇進しない。

(2)組織に「十分な地位」と「十分な時間」がある場合、

・全ての人は、その人の「無能レベル」まで昇進し、そこに留まり続ける。
・やがて、あらゆる地位は、職責を果たせない無能な人間で占められる。
・その結果、仕事は、まだ無能レベルに達していない人が行う。

(3)昇進は「無能への道」の一里塚。その法則として、

・スーパーエンジニアが、スーパー無能マネジャーに!
・組織の上層部は死屍累々。
・無能レベルに達する人の数は、組織に存在する「地位」の数に比例する。
・十分な時間と十分な地位がある組織は、「無能の組織」と化す。

 例えば、プロ野球の世界でスーパースターだった長嶋茂雄氏が1974年に引退し、翌年、監督になったが巨人は史上初の最下位に転落した。これなどは、「スーパー無能マネジャー」の好例だろう。

 また、皆さんの会社で、平技術者や課長の上に山のように(何をしているのかよく分からない)部長職がいるのではないか? 本部長、副本部長、統括部長、統括副部長、部長、副部長、担当部長、担当副部長、部長代理、部長付・・・、などというように。もし、そうなら、皆さんの組織は、間違いなく無能化している。

previous page
5
nextpage
PR


underline
昨日のランキング
直近1時間のランキング
JBpress Focus

当社は、2010年1月に日本情報処理開発協会(JIPDEC)より、個人情報について適切な取り扱いがおこなわれている企業に与えられる「プライバシーマーク」を取得いたしました。

プライバシーマーク