「プライドにはふたつあると思う」――。2010年5月で47歳を迎える球界の現役最年長左腕、埼玉西武ライオンズの工藤公康投手が1月19日付産経新聞のインタビューの中でこう語っていた。その「ふたつ」とは、「捨てなきゃいけない」ものと「持ち続ける」もの。そして捨てなきゃいけないのは、「過去の栄光」だという。
現役最年長左腕、西武の工藤公康投手工藤選手といえば現役最多の224勝を挙げ、これまで在籍した3球団でリーグ優勝と日本一を経験している言わずと知れた大投手である。その大投手がいまだ現役にこだわっているから言うのである。これまで同様、超一流の打者と互角に対峙し、その世界で生き抜いていくには、人も羨む自らの輝かしい実績こそ邪魔だと。むしろ、そんな「過去の栄光」なんてすっぱり捨てなきゃいけない・・・。
「『オレは昔はね・・・』なんて言い出したら終わりですよ。僕はいつも自分の心に問いかける。『昔の自分と今の自分は違う。しっかり現実を見ろ。野球を続けたいなら動け、トレーニングをやれ』と」
過去の栄光にすがることなく、日々易きに流れず、自らを律した行動を心がける。そうしたことを続けられたからこそ、工藤選手は親子ほど歳の差がある若手投手の中に交じっても遜色なく、いまだ第一線で活躍できるし、これからもそうあり続けるだろう。
自分は悪くない、悪いのは環境や景気・・・
オレは昔はね・・・。
経営破綻、辞任した日本航空の西松遥社長〔AFPBB News〕
会社更生法の適用を申請し、経営破綻した日本航空。この会社は過去、何度となく直面してきた経営危機下でも、そうした感覚が抜け切れずにいたのではないか。
ナショナル・フラッグ・キャリアーとして戦後の長きにわたり、日本の航空業界に君臨してきたという「過去の栄光」にすがり、経営が苦しくなると国に無心する。自らは抜本的な問題の解決に何ら手をつけない。これまではそれで何とかなってきた。
自分は悪くない、悪いのは周りの環境だ。低迷する景気情勢だ。それにしてもあの頃は良かった――。そう昔を懐かしむ。
1980年代前半には国際線の定期輸送実績で世界トップに立ち、一時は大学生の就職人気ランキングでも常に上位を占めていた日航。この会社には、そんな現実逃避の感覚がいつまでたってもあったように思う。
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