どうなる「ジョブズ後」、アップルの未来はクック新CEOの双肩に

ブラジルのサンパウロでアップルストアの前に掲げられたスティーブ・ジョブス氏の遺影と添えられた白いバラ〔AFPBB News

 スティーブ・ジョブズ氏の訃報が世界中を駆け巡り、その死を惜しむ声が広がる中、投資家や市場関係者の間ではアップルの今後の行方に注目が集まっている。

 ジョブズ氏死去から一夜明けた10月6日、アップル株は午前中、相場全体の動きと同様に推移していたが、午後になって同氏不在への懸念が高まり、さえない展開になったと伝えられている。

 アップルは今後も革新的な製品を市場投入できるのか、製品開発力や販売力が低下するのではないかなどと懸念されている。

 アップルでは、ジョブズ氏が8月に最高経営責任者(CEO)を退任し、ティム・クック新CEOがこれまでの事業計画を引き継いでいる。

 このことから当面は収益の拡大が見込めるが、問題は現在進められている製品開発が終わった時だと言われている。

またイノベーションを生み出せるのか?

 クックCEOはジョブズ氏と同様に細部に至るまでこだわりを持ち、会社経営にも十分な経験があると評価されている。ジョブズ氏もCEO辞任に伴い、取締役会にクック氏を後継者として強く推薦しており、大いに期待していた。

 ただ、ジョブズ氏が成し遂げた功績があまりにも大きかっただけに、果たしてクック氏が同じようなイノベーションを生めるのだろうかと疑問視されている。

 米国の市場調査会社コムスコアによると、この8月の同国におけるスマートフォン所有率は、アップルの「アイフォーン(iPhone)」が3カ月前から0.7ポイント増加して27.3%となった。

 これに対し米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載端末のシェアは同5.6ポイント増え43.7%。アイフォーンとアンドロイド端末の差がますます拡大しているという状況だ。