スーパーの食料品売り場に並んでいる、「国産牛」と表示された牛肉のパック。実は、それがオーストラリアで生まれた牛だと聞かされたら、皆さんはどう思うだろうか。
「偽装表示」だと言って怒りだす人もいるかもしれない。でも、一概にそれを「偽装」だと言うことはできない。実は、十分にあり得ることなのだ。
「産地表示」のルールによれば、生まれてから最も長期間育てられた場所が「産地」として表示されることになっている。ということは、生後3カ月でオーストラリアから連れて来られた仔牛が国内で12カ月育てられたら、「国産牛」という表示になる。
そして、これは「和牛」であることを意味しない。和牛というのは肉牛の品種であり、産地情報ではないからだ。だから、「国産牛=和牛」と考えるのは早とちりである。情報を提供する側に悪意がなくても、消費者の勘違いによって、このように情報が正確に伝わらないことがある。
食品パックの表示情報は味覚よりも信頼できるのか
日本科学未来館(東京都江東区)では、現在、企画展「‘おいしく、食べる’の科学展」を開催している(会期は2010年3月22日まで)。
「‘おいしく、食べる’の科学展」の会場風景拡大画像表示
企画展の準備が始まったのは、2年前の2007年。産地や賞味期限の偽装が立て続けに告発された年だった。なにしろ世論調査(「livedoorニュース」が実施)によれば、1年で最も印象に残った出来事として選ばれたのが、「食品会社による不祥事」である。安倍晋三首相の辞任もあったのだが・・・。
そのように食への信頼が揺らぐ中、この企画展が計画された。科学や技術がどのように食を支えられるのかを整理し、皆さんの幸せな食生活の実現に少しでも貢献しようという狙いの展覧会である。
ここでは、企画展の重要なテーマの1つである「食の安全」についてお話ししようと思う。
- おとそにおせち、科学が明らかにする食の真実 (2010.01.07)
- 日本人の「国産」「天然物」信仰はスキだらけ (2009.12.17)
- 「環境・科学」
- 「教育・文化」
- 「人口・食糧」
- 「食糧安全保障」
- 「食の安全」
- 「国産食材」
- 「食品表示」
- 「食品衛生法」
- 「食品添加物」
- 「クルクミン」
- 「BSE」
- 「遺伝子組み換え牛」
- 「日本科学未来館」
- 「‘おいしく、食べる’の科学展」
- ■中国イスラムテロより怖い対中債務 (03月12日)
- ■Financial Times中国が挑む世界最大の都市化実験 (03月12日)
- ■The Economistいよいよ世界に蔓延する模造品 (03月12日)
- ■日本のものづくり「できない」と思ったら成功するわけがねぇんだよ (03月12日)
- ■Financial TimesなぜかECBが受けつけない「常識」 (03月12日)


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