米国人の友人と一緒に公園を歩いていると、脇の下の毛の処理をしていない女性がブランコに乗る子供を押しているのを見た。

 友人は一言「ヨーロッパの人ね」と言った。

 米国人の女性は、むだ毛処理に熱心だ。大変な労力と金をかけている。町を歩いていると、スターバックスやマクドナルドよりも多くの脱毛サロンを見かける。

 むだ毛を処理していないのは恥ずかしいことだと見なされるので、わき毛を堂々と見せている人は恐らく米国人ではないだろう、という感覚なのだ。

 特にこの10年は処理の範囲が拡大し、頭髪と眉毛以外はすべて「むだ毛」と見なされるようになった。裸になると体のどこにも体毛が見えないのが、最近の米国人女性の主流である。

 脱毛のトレンドは、男性にも及び始めている。映画「40歳の童貞男」を見た人たちは、かなり濃い胸毛を脱毛用粘着テープでべりべりと剥かれ、絶叫する主人公の姿を覚えているだろう。むだ毛があっては女性に嫌われるという理由で、友人たちが主人公を無理矢理脱毛サロンに連れて行ったシーンだった。

 ポルノ映画好きの友人によると、最近は出演している女性のほとんどが陰毛及び周辺の毛すべてを完全脱毛しているという。ポルノ映画サイトでは、特殊な趣味を持つ人用の「フェティッシュ部門」の下に「ボウボウ(Bushy)」というカテゴリーがあり、陰毛を処理していない女性が見られるという。自然な状態でいる女性を好む男性はもはや変態扱いなのか、と思わず叫びそうになった。

水着が小さくなるのに平行して脱毛範囲は広がった

 「脱毛歴史家」によると、むだ毛処理の歴史はかなり長い。特に陰毛の処理は、紀元前3000~4000年前にすでにインドで行われていたという。

 中東やイスラム圏では古くから、女性が下の毛も含めてむだ毛をすべて処理することは衛生的にも文化的にも奨励されてきたらしい。