9月28日朝方の取引で、ドル/円相場は一時88.23円をつけた(今年1月23日以来の円高ドル安水準)。日本の通貨当局は従来のG7合意に加え、ピッツバーグで行われたG20サミットの「不均衡是正」合意(経常黒字国は内需拡大を要請される)にも拘束されることになっており、円売り介入実施のハードルは一段と高くなっている感が強い(9月28日「ドル/円90円割れ~『G20の縛り』『不均衡是正論』」参照)。

 そのあたりを突いた思惑的な円買いが、ユーロや英ポンドを含む各種通貨に対する損失確定の円買いを巻き込んで加速した結果であろう。


 この日、政府の閣僚や高級官僚から出てきた為替相場についてのコメントには、以下のようなものがあった。昼すぎの藤井発言からニュアンスが変わり、市場が反応した。

◆玉木林太郎財務官「為替相場についてはコメントしない」(9時前)

◆藤井裕久財務相「いまは異常なトレンドではない。人為的な為替安政策はおかしい」「(為替相場の水準には)コメントしない」(9時前)

◆平野博文官房長官「(円高・株安は)当然注視していかなければならないが、ここでコメントする立場にない」(正午前)

◆藤井財務相「(為替相場は)安定的なのが望ましいのは間違いない」「最近の動きはトレンドが変わったと思っていないけれど、やや一方に偏ってきているな、と思っている」(正午すぎ)

◆藤井財務相「(最近の為替相場は)一時的な動きだが、やや一方に偏っている面もある」「円高をそのまま放置しろとは一言も言っていない。通貨安を競うのは良くない」「通貨は安定するのが望ましい」(午後1時すぎ 講演で)

◆藤井財務相「円安競争は良くないと思っているとしか言っていない。円高に対する対応は一言も言っていない」「(円高は)実際は米国の経済政策が根っこにある」「為替動向に偏りが見られるのは事実。為替は安定していることが望ましいということが基本だ」「(介入については)言うべきことではない。いま申し上げたことですべて尽きている」(2時すぎ 講演後記者団に)

◆鳩山由紀夫首相「為替が円高に振れ、そのこと自体で中小企業は困っていると思う」(午後7時すぎ)

(このほか、直嶋正行経済産業相が同省の3役会議で、円高進行で中小企業を含む輸出企業にどのような影響が出ているのかを調査するよう事務当局に指示している。近藤洋介政務官によると、最近の円高を注視しなければならないとの認識で3役会議は一致したという)