8月28日に総務省から発表された7月の全国消費者物価指数は、「生鮮食品を除く総合」(CPIコア)が前年同月比▲2.2%となり、前月の同▲1.7%からマイナス幅を0.5%ポイント拡大した。ほぼ市場予想通りの結果。今回もマイナス幅は過去最大を更新した。さらに、商品先物の上下動によって振りまわされやすい2つのカテゴリーを除いた、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」のCPI(いわゆる欧米型CPIコア)は前年同月比▲0.9%で、前月の同▲0.7%からマイナス幅を0.2%ポイント拡大した。

 7月の全国CPIコア前年同月比の押し下げに寄与した主な品目は、「生鮮食品を除く食料」「電気代」「都市ガス代」「ガソリン」「被服及び履物」など。顔ぶれは事前予想通りである。物価の絶対水準は、着実に切り下がっている。CPIの季節調整済指数を見ると、7月分で、コアは100.1 (前月比▲0.1%)。そして欧米型コアは98.4(同▲0.2%)で、過去最低を今回も更新した。比較対象である前年同月の水準が高い場合に、その反動がマイナス幅の拡大という形で出やすい前年同月比の数字だけでなく、物価の絶対水準を示す指数そのものの動きについても、しっかりウォッチしていく必要がある(「『上値が重い』サービス価格指数」参照)。