ゲームソフト大手の米エレクトロニック・アーツ(EA)が、同じくゲーム開発を手がける新興企業、米ポップキャップ・ゲームズを買収することで合意したと発表した。
買収額は最大13億ドル。EAの主力は家庭用ゲーム機向けソフトだが、買収するポップキャップは主にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やスマートフォン向けのゲームを得意としている。
デジタルプラットフォームに移行
ゲーム業界ではモバイル機器やSNSなどの普及で消費者の嗜好に変化が生じている。
ポップキャップが手がけているような比較的単純で短時間で気軽に遊べる「カジュアルゲーム」に人気が集まる一方、本格的なゲームを楽しめる据え置き型ゲームは開発コストが増加の一途をたどり、開発者の確保も困難になるなど、EAなどの大手は苦戦していると米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
ポップキャップは2000年に設立された企業で、本社は米ワシントン州シアトル。サンフランシスコ、シカゴ、バンクーバー、東京、ソウル、上海などにもオフィスを構えており、従業員数は475人。SNSの米フェイスブックや中国の人人網(Renren)などにゲームを提供しているほか、アイフォーンやアンドロイド向けのゲームアプリも手がけている。
こうしたSNSやスマートフォン、タブレット端末上のゲーム環境は「デジタルプラットフォーム」とも言われ、今、急成長している分野だ。ポップキャップの場合は、収益の8割がこのデジタルプラットフォームからもたらされているという。
EAは2009年にもSNS向けゲームを手がける英プレイフィッシュを約4億ドルで買収するなど、成長分野に力を入れている。