クーポン共同購入サイト運営の米グルーポンがIPO(新規株式公開)を申請したという話題で持ち切りだ。6月2日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類には、最大7億5000万ドルを調達すると記しているが、この額は手数料を算出するための暫定額。
各メディアによると、同社の企業価値は200億ドル以上とも言われ、調達額は10億ドルに上ると見られている。
グルーポンを巡っては、昨年12月に米グーグルが50億~60億ドルの提示額で買収しようと試みたが、結局同社はグーグルの提案を断ったと報じられた。グルーポンの取締役会が、独立会社として運営する道を選び、IPOも視野に入れる意向を示したと伝えられていた。
2010年は4億5000万ドルの赤字
今回のIPO申請で興味深いのは提出書類によってこれまで謎だった同社の業績が明らかになったことだ。
それによると、2010年通期の売上高は7億1340万ドルで、前年の3050万ドルから実に23倍以上伸びている。登録ユーザー数は8300万人に上り、サービス開始からこれまでに販売したクーポンの数は7000万枚だった。
ところが、2010年の損益は4億5630万ドルの赤字で、その前の年も690万ドルの赤字だった。今年1~3月期を見ても、売上高が6億4470万ドルと、わずか1四半期で昨年の年間売り上げに迫る勢いなのだが、1億4600万ドルの赤字を出している。
グルーポンがサービスを開始したのは2008年の11月。本拠地は米国のシカゴだ。昨年初めに米国1カ国だけだった同社のサービス提供地域は、その後北米各地や、欧州、アジアと広がった。
昨年8月には日本のクーポン共同購入サイト「Q:pod(クーポッド)」を買収し、日本法人を設立。日本でもグルーポンブランドで展開している。