ほくほくフィナンシャルグループ 代表取締役社長 北陸銀行 頭取の中澤宏氏(撮影:榊水麗)
ほくほくフィナンシャルグループが、2025年3月、2028年3月までの新中期経営計画と、企業パーパスを発表した。目指すのは2つの地域の特徴を生かした積極的な事業展開と、それを支える人的資本の強化である。広域統合のポテンシャルを最大限まで引き出すために、組織はどう生まれ変わるべきなのか。職員の意識改革への取り組みについて中澤宏社長に話を聞いた。
新中計では分かりやすいメッセージを打ち出す
――2025年4月から3年間の中期経営計画(以下、中計)を発表しました。金融収益の成長や新事業への取り組みなど、攻める姿勢を感じさせる内容となっています。どのような狙いがありますか。
中澤宏氏(以下・敬称略) 今回で6次目の中計ですが、あえて攻めようとした意図はありません。ただ、今回中計の策定に当たって、示す計画の内容をできるだけコンパクトに、分かりやすく表現しようと考えました。
フィナンシャルグループとして、前段でご説明した地域ポテンシャルを生かし、業績目標やそれを実現するための人材配置、採用計画などを数字で透過的に示しています。当然戦略投資も行います。それらをストレートに発表していますから、攻めの内容と受け取られたのであれば、メッセージとしてはうまく伝わっているのではないかと思います。
今中計のタイトルである「NEXT STAGE」の通り、10年後を見据えた当社の次の事業ステージに向けた戦略的な投資を実施していきます。
これからの地域金融機関には、金融ビジネスだけでなく、事業承継や税務対策、デジタル化など、お客さまの課題を解決するコンサルティング、あるいはソリューションを提供する機能が必要です。
また、北海道で注力するGX関連のビジネスは、現在世界では一時的に停滞ムードがありますが、大きな流れとして消えることはありません。そうした分野には専門的な知識を持つ人材が不可欠です。現在2100名のソリューション人材を、3年間で300名増やして2400名体制にすることを計画しています。
――人材獲得競争は厳しさを増しています。どのように採用、育成を進めていますか。






