
日本で最も多くの観客を集める演劇集団「劇団四季」。劇団を会社として安定的に運営するために、創設者の浅利慶太氏の武器となったのが政財界に広がる人脈だった。浅利氏はその人脈をいかにして培い、どう利用したのか。
芸能や社会的影響力のある人たちに囲まれて育った浅利氏
劇団四季は演劇集団として日本で最大の観客動員力を誇る。7つの専用劇場を持つだけでなく、全国でも公演を重ね、その数は年間3000回を超える。
それもあって劇団四季の劇団員たちは、アルバイトをしなくても四季からの給料だけで生活ができる。劇団員は稽古や公演など24時間芝居漬けの生活を送ることができ、それがスキルアップにもつながる。だから有名役者を輩出する。
劇団員の生活を保証することは多くの劇団にとっての理想形だが、実際にそれができているところはほとんどない。なぜ四季にそれが可能だったのかというと、創設者である浅利慶太氏(1933─2018年)が必死になって人脈をつくり、そのネットワークを利用した経済活動を行ったためだ。