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「ホワイト過ぎる職場に、成長の機会を奪われると感じて辞めてしまう」――若者の退職を招く新たな問題に、「厳しくしても優しくしてもダメなら、いったいどうすればいいんだ!」と頭を抱える担当者は多い。本連載は、今どきの若者とどう関わるのが正解か、20年近く企業の組織改革に携わってきた経営コンサルタントが、11の具体的シーンで解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません――マネジャーの心の負担を減らす11のルール』(横山信弘著/東洋経済新報社)から内容の一部を抜粋、編集。

 第2回目は、部下を褒める時のルールや日々の感謝の重要性について解説する。

本稿は「Japan Innovation Review」が過去に掲載した人気記事の再配信です。(初出:2024年5月27日)※内容は掲載当時のもの

部下を褒める「イフゼンルール」

「優しさ」の考え方についてお伝えしていこう。まずは褒め方について。

 叱るのも褒めるのも「発生型」の行為だ。「設定型」ではない。挨拶や声かけは計画的にできるが、叱るのも、褒めるのも、計画してできるものではないし、やってはならない。

 だが、意識しないと部下を褒められない上司も多いだろう。

 部下育成のために意識して褒めることを、私は「ホメジメント」と呼んでいる。

「褒める」と「マネジメント」をくっつけた造語だ。

 意識しないと、部下を褒めることができないマネジャーは、まず褒めるプラン(P)を考える。そしてプランどおりに実行(D)する。さらに、定期的に「正しく褒めているか?」「褒めるタイミングを逃していないか?」とチェック(C)し、問題があれば改善(A)する。

 このようにPDCAサイクルを回すことが「ホメジメント」だ。

 褒めるプランとは、「イフゼンルール」のことだ。

  • もしも部下が○○をしたら、褒める
  • もしも部下の行動(成果)が○○を超えたら、褒める

 このような感じで、褒める「イフゼンルール」を自分の中で決めることだ。そうすることで、部下も学習するようになる。