
2024年IMD(国際経営開発研究所)世界デジタル競争力ランキングで、日本は31位と低迷。日本のDXの後れは年々深刻化しているといえるだろう。その大きな原因の1つに「管理職のスキル不足」が挙げられる。デジタル技術で競争優位性を実現するDX推進のためには、変革をリードする人材が欠かせない。そこに求められるビジネススキルについて、東洋大学の廣瀬弥生氏が語る。
学習到達調査では世界トップ5クラスでも世界人材ランキング43位の日本
1990年代以降、世界の企業は大きく経営戦略を方向転換させながら、高付加価値・グローバルの時代に合わせて成長してきました。
その中で日本企業は、高度経済成長期の戦略やマネジメント手法から抜け出せず、取り残されています。これは、IMDが発表する「世界デジタル競争力ランキング2024」で日本が31位に沈んでいることと、無関係ではありません。
さらに、ショッキングな指標があります。IMD「世界人材ランキング2024」では、日本は67カ国中43位。「マネージャーの国際経験」は最下位、「有能な上級マネージャー」は65位、「マネジメント教育」は59位、「外国人の高いスキルの人材がビジネス環境に魅力を感じているか」では56位という結果になっています。
一方、OECD(経済協力開発機構)が実施するPISA(学習到達度調査)では、日本はトップレベルです(読解力3位、数学リテラシー5位、科学リテラシー2位)。こうした指標から、高い教育水準をビジネス人材育成に全く生かせていない、日本の現状が見えてきます。






