國學院大の主将・伊地知は11番目で入学

2023年11月5日、全日本大学駅伝、8区を走る伊地知賢造(國學院大) 写真=SportsPressJP/アフロ

 全日本大学駅伝の8区で中大をかわして3位でゴールに駆け込んだのが國學院大の主将・伊地知賢造だ。松山高時代に全国大会の出場はなく、当時の5000mベストは14分43秒97。チーム内11番目のタイムで入学した。

 高校時代は全国トップクラスではなかった浦野雄平(現・富士通)、土方英和(現・旭化成)らが学生駅伝で活躍した國學院大を見て、「あそこに行けば僕も変われるんじゃないか」という予感が的中する。学生駅伝は1年時からフル参戦。2年時は全日本8区で区間賞を獲得して、箱根は花の2区を務めた。

 昨年度は出雲と全日本でアンカーを担い、ともに準優勝のゴールに飛び込んだ。しかし、箱根は11月中旬に左膝を痛めたこともあり、5区で区間7位と振るわず、チームも4位に終わった。今季は主将に就任するも、1月末に右足首を痛めて出遅れた。

 それでも4月末から走り始めると、7月に5000mを13分40秒51の自己新をマーク。9月の日本インカレは10000mで日本トップに輝いた。3区を任された出雲駅伝は4位に終わったが、アンカーを務めた全日本大学駅伝は3位を確保。最後の学生駅伝となる箱根は補欠登録されており、往路に起用されそうだ。

「4区あたりの可能性が高いと思うんですけど、2区や5区にアクシデントがあっても僕なら入ることができる。いずれにしても、後ろの選手たちが心を揺さぶるような走りをして、ゲームチェンジャーの役割を担いたい」

 伊地知は〝てっぺん〟を目指して、熱い走りを披露する。