名門高の補欠だった選手がチームの主力に

 高校時代の5000mベストから考えると、各校に〝這い上がってきた選手〟がいる。

 日大・下尾悠真はチーム内7番目の14分36秒95で入学すると、5000mの記録は学内日本人トップの13分48秒55まで短縮。駅伝主将として最初で最後の箱根駅伝に臨むことになる。

 国士大・山本雷我はチーム内6番目の14分38秒2で入学。〝仮想5区〟として箱根駅伝出場校が多く出場した11月18日の激坂最速王決定戦(登りの部)を制しており、3年連続となる5区で区間上位が期待されている。

 神奈川大・小林篤貴はチーム内12番目の14分38秒40で入学するも、10000mで神奈川大記録の28分21秒10を樹立。箱根駅伝は前々回で2区を区間9位と好走しており、今回は2区での出場が有力だ。

 駿河台大・新山舜心はチーム内トップながら高校時代の5000mベストは14分39秒71。大学では10000mのタイムを28分14秒30まで伸ばした。主将としてチーム引っ張り、最後の箱根は往路で勝負する。

 城西大・野村颯斗はチーム内10番目の14分43秒94で入学。主将としてチームを牽引すると、10000mで28分34秒70をマークするなど、走りでもチームを盛り立てている。箱根は1区に登録された。

 それから世羅高時代に全国高校駅伝を走ることができなかった山梨学大・北村惇生と法大・細迫海気は大学でチームの主力になった。北村は前回4区で区間10位。今季は日本人エースと呼ばれるほど成長して、箱根は1区に登録された。細迫は2年連続で5区を担うと、今回も5区に入っている。

 箱根駅伝はどこにヒーローがいるのかわからない。雑草魂を持つ非エリート選手たちが正月決戦でドラマを作る。