* 本コンテンツは以下講演の【講演動画】と【全文採録記事】で構成しています *
第2回 取締役イノベーション
特別講演4「企業経営とガバナンス(後編)」
開催日:2023年2月17日(金)
主催:JBpress/Japan Innovation Review
「旭化成再建の主導者・蛭田元社長が説く、企業経営とガバナンスの核心(前編)」にて、旭化成における代表取締役社長としての経験をもとに、事業環境の変化を捉えた経営の重要性について解説した、蛭田経営研究所代表の蛭田史郎氏。後編では、日本企業を取り巻く歴史的変化をもとに、ガバナンスの変遷と取締役に求められる機能について解説します。
講演の冒頭にて蛭田氏は「事業戦略を考える際と同様に、ガバナンスにおいても事業環境変化への正しい理解が不可欠だ」と語ります。さらに、蛭田氏は人類発展の歴史をさかのぼり、そこから見える環境汚染や資源枯渇への課題認識について考察し、人類の文明が地球の自浄能力を超えるところまできている今、その産業活動の主体としての企業による解決策の提示が不可欠になったと指摘します。
このような認識を前提に、企業が早く・安く・性能の高いものを大量につくる供給律速の時代から、社会の抱える課題解決の方策を提供する需要創造の市場に変わったことについて改めて振り返ります。そして蛭田氏は、市場環境の変化に合わせて、事業実行環境も共に変化するとした上で、見落とせない大きな変化として、「IOT技術の進歩とビッグデータの活用」「カーボンニュートラルの対応」「パンデミックによる価値観と行動様式の変化」という3つを取り上げた上で、その課題認識と対応について解説します。
また講演の後半では、それらの事業実行環境の変化に加え、政治・経済の構造変化、そして金融面における体制の変化も踏まえたうえで、企業経営ガバナンスを変えていくことの重要性が紹介されます。かつては社内中心であった日本の取締役会は、グローバル展開期を経て、企業の社会的存在が問われる時代となった今、その在り方が問われています。取締役会にはどのような変化が求められているのか。蛭田氏が自ら取締役として実行したガバナンスへの取り組み事例を挙げながら、社会における企業の存在価値を高める取締役の在り方について進むべき方向性を指し示します。
【TOPICS】
- ガバナンスにおいても事業環境への適切な対応が不可欠
- 大量消費が支える現代文明が生んだ課題
- 市場環境と同様に変化する事業実行環境の考え方
- 事業実行環境における“3つの変化”(IOT技術の進歩とビッグデータの活用/カーボンニュートラルの対応/パンデミックによる価値観と行動様式の変化)
- 企業のガバナンス変遷の認識と、求められる企業の取締役会の機能
- 取締役としてのガバナンスへの取り組みを振り返る
- 変革を進める組織におけるリーダーの基本的役割