ミッションやビジョン、バリューの上位概念として、自社の存在意義を問う「パーパス」という言葉が企業経営のキーワードになりつつある。富士通でも、2020年に定めたパーパスの実現に向けて、全社で強力に変革を進めている。本稿では、富士通株式会社執行役員EVP CMOの山本多絵子氏が、サステナブルな社会の実現を目指す事業ブランド「Fujitsu Uvance」や社内変革を進める「フジトラ」などの取り組みを軸として、「お客さまへの価値創造」と「自らの変革」の観点から同社の挑戦について語った。

※本コンテンツは、2022年7月1日(金)に開催されたJBpress/JDIR主催「第5回Marketing & Sales Innovation フォーラム」の特別講演4「富士通のブランディングとマーケティング変革への挑戦~パーパスを胸にサステナブルな社会の実現に向けて~」の内容を採録したものです。

世界をより持続可能にしていくことを目指す富士通のパーパス

 2020年4月より富士通のCMO(最高マーケティング責任者)に就任した山本多絵子氏は、海外のスタートアップ企業でビジネスを立ち上げ、その後、日本マイクロソフト株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社の経営企画やマーケティングを担当。いずれのキャリアにおいても、ビジネスの大きな変革の節目を経験し、その経験を生かして現在は富士通全社のブランディングやマーケティングをリードしている。

 富士通では、長年にわたりテクノロジーを通じて顧客に価値を提供していたが、今後はさらにグローバル企業として社会課題を解決し、変革に向けて主体的に貢献する責任があると考え、新たにパーパスを設定した。山本氏は、同社のパーパスと達成の指針について次のように話す。

「富士通のパーパスは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことです。このパーパスを実現するため、『お客さまへの価値創造』と『自らの変革』という2つの軸で変革を推進しています」

 ちょうど2030年はSDGsの目標達成の年に当たるが、環境問題や自然災害、エネルギーの枯渇や高齢化、食料不足など、それまでに解決しなければならない課題が山積している。こうした課題に立ち向かうためには、世界中の企業がそれぞれの得意分野でリーダーシップを発揮し、コラボレーションしながら取り組む必要がある。これが「お客さまへの価値創造」へとつながっていく。