アップルの新製品発表会に登場した「iPhone 14」(写真:AP/アフロ)

 米アップルの最新スマートフォンに備わる「緊急SOS」機能によって、衛星通信サービスの競争が始まると米ウォール・ストリート・ジャーナルが9月11日に報じた。

「圏外」でも緊急メッセージ発信

 アップルは9月7日に開催したスペシャルイベントで新型iPhoneを発表した。9月16日から販売が始まる「iPhone 14」シリーズには、衛星通信を用いた「緊急SOS(Emergency SOS)」機能が備わる。

 これは、海上や山間部など、地上の基地局では圏外になるような場所でも、衛星経由で事故や病気などの緊急通報が可能になるというもの。最初にiPhoneがいくつかの質問を投げかけて利用者の状況を判断。その後、指示に従ってiPhoneを特定の方向に向けると、テキストメッセージの形でSOSを発信する。これをアップルのコンタクトセンターが受け取り、スタッフが救助を呼ぶ。アップルはこのサービスを11月に米国とカナダで始める。最初の2年間は無料とする。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アップルはこのサービスを提供するため、2019年から衛星通信企業各社にコンタクトを取っていた。これが功を奏し、同社は米衛星通信サービス会社のグローバルスターと独占契約を締結することに成功した。