最近、動画配信サービス企業にとって、サブスクリプション(定額課金)の顧客を維持することが難しくなっていると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが8月15日に報じた。
年々上昇する顧客離反率
米調査会社のアンテナによると、米ネットフリックス(Netflix)や、米ウォルト・ディズニーの「Disney+」「Hulu」、米アップルの「AppleTV+」、米ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの「HBO Max」といった主要サービスの加入者は、約19%が2022年6月までの2年間で3つ以上のサービスを解約した。この比率は、20年6月までの2年間では6%にとどまっていた。
また、22年7月における、これら主要サービスの顧客離反率は平均5.46%。 21年7月の4.46%、20年7月の4.05%から上昇した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、数年前は多くの世帯が複数のサービスに加入していた。その頃は、新たなサービスが次々と登場し、消費者の選択肢が一気に広がった。サブスクリプション料金は今よりも安価だった。新型コロナウイルスの感染拡大によって、家庭内エンターテインメントの需要も高まっていた。
しかしその後消費者は、徐々に、しかし確実に選り好みが激しくなり、節約志向も高まっていった。今後は、経済の先行き不透明感が、家計支出に対する意識をさらに高める可能性があると専門家は指摘している。
一部の人は、ある人気ドラマシリーズを見終えるとその直後に解約し、興味のある動画を求めて別のサービスに加入する。「お気に入りのコンテンツがプラットフォームで利用できなくなったときに興味を失う人もいれば、単に娯楽への支出を減らしたい人もいる」とアナリストらは指摘する。
顧客は移り気で、新規加入しても用が済めば解約し、別のサービスに切り替える。各社のサービスを次々に乗り換えているという。