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 東京海上ホールディングス(以降、東京海上)は、国内の損害保険事業(東京海上日動火災保険、日新火災海上保険、イーデザイン損保など)・生命保険事業(東京海上日動あんしん生命保険)・金融事業や、海外の保険事業(欧米、アジア、中南米等)などの事業を行う企業体。今年、同社は経済産業省と東京証券取引所が選定する「DX銘柄」に保険会社の中で唯一選ばれている。

 同社のDXへの取り組みの特徴を、SOMPOホールディングス(以降、SOMPO)と比較してみたい。SOMPOもDXの実践の評価が高いが、事業展開の方向性が異なる。

 SOMPOは、保険事業から介護・シニア事業へと事業ドメインを広げていて、さらに、昨年にはDXの外販も行うデジタル事業会社「SOMPO Light Vortex株式会社」を設立している。それに対して、東京海上は事業ドメインを大きくは広げずに、保険事業を社会課題解決事業としてとらえ直して、新たな保険商品や関連するビジネスモデルなどを開発することに注力している。

 例えば、東京海上日動火災保険が2021年3月から販売を開始したEQuick保険(震度連動型地震諸費用保険)は、被災直後の生活費などのニーズを想定して、気象庁が公表する震度データに基づいて地震発生から最短3日で保険金を受け取ることができる保険商品である。災害直後の状況を想定して、スマホのみで保険金を受け取る手続きが完結できる。