メタのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は22年2月、同社SNS内コンテンツで最も急成長しているのは、短尺動画「Reels(リール)」だと述べた。
ReelsはTikTokの対抗として20年8月に写真共有アプリ「Instagram(インスタグラム)」内で始まったサービスだ。当初メタは、TikTokで人気のあるクリエーターにReelsを使ってもらうために、金銭的インセンティブを提供していた。メタは21年9月にFacebook版のReelsも開始した。
また同社は21年7月、22年末までに総額10億ドル(約1370億円)超の報酬をクリエーターに支払うと発表した。同社はそれまで一部のクリエーターに対価を支払ってきたが、複数のボーナスプログラムを新たに立ち上げて取り組みを強化した。
過熱するクリエーター獲得競争
ここ数年、フォロワー数の多いクリエーターはSNSの重要なコンテンツだと認識されるようになった。フリーのライターやミュージシャン、ダンサー、ゲームストリーマー(配信者)など人気クリエーターの獲得で各社はしのぎを削っており、手厚い報酬を出す動きが広がっている。
ロイター通信は21年に、米国のクリエーター数は推計5000万人いると報じた。彼ら彼女らは米サブスタックで有料ニューズレター(メールマガジン)を配信したり、美容・フィットネスなどの動画をYouTubeやTikTokに投稿したりして収益を得ている。20億ドル(約2700億円)のクリエーター基金を設けたTikTokなどの台頭で、インフルエンサー獲得競争が過熱している。
米ウォール・ストリート・ジャーナルの22年7月19日付の記事によると、メタは今後、クリエーター機能を強化するために人員を再配置する。ニュース記事の「Facebook News」とニューズレター配信プラットフォーム「Bulletin(ブリティン)」の技術者やサポート人員を異動させる。グローバルメディアパートナーシップ部門を率いるキャンベル・ブラウン氏は「より強固なクリエーターエコノミー構築に重点を置く」と従業員に告げたという。
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