スマホ画面に表示されたSNSのアプリ(写真:ロイター/アフロ)

 米フェイスブック(FB)は7月14日、自社のSNS(交流サイト)上で活動するクリエーターに対し、2022年末までに総額10億ドル(約1100億円)超の報酬を支払うと明らかにした

TikTokに対抗、短尺動画のクリエーターを支援

 同社ではこれまで一部のクリエーターに対価を支払ってきたが、複数のボーナスプログラムを立ち上げるなどし、取り組みを強化する。ネット上で影響力を持つインフルエンサーへの手厚い報酬で急成長した中国系動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」などに対抗する狙いだ。

 マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)はこの日、自身の投稿で「何百万人のクリエーターが生計を立てるための最高のプラットフォームを構築したい」と述べた。

 ボーナスプログラムの1つには「Reels Summer Bonus 」がある。傘下写真共有アプリ「インスタグラム」の短尺動画「Reels(リール)」で優れたコンテンツを作成したクリエーターに報酬を支払うもので、数週間後に米国で開始する。ReelsはTikTokの対抗として20年8月に始めたサービスだ。

 このほか、コンテンツ制作費の一部をフェイスブックが負担する「シードファンディング」も計画している。「インスタグラム」アプリ内では今夏に、「フェイスブック」アプリ内では今秋に、それぞれのクリエーターが目指せる各種プログラムの詳細説明を設けるとしている。

稼げる仕組み、続々投入

 ネット上で活躍するインフルエンサーが生み出す巨大な経済効果は「クリエーターエコノミー」と呼ばれ、フェイスブックなどのSNS大手が注目している。