ツイッター イメージ(写真:ロイター/アフロ)

 ここのところSNS(交流サイト)大手の米ツイッターが相次ぎ新たな有料サービスを打ち出している。同社は2021年2月に売上高を23年までに倍増させることを柱とした事業戦略を発表。収益拡大策の一環として注力しているのがクリエーターだ。様々な分野のプロや専門家、ジャーナリストなどが稼げる仕組みを用意。手数料収入という新たな収益源を確保し、広告に依存しない事業展開を加速させる考えだ。

手数料は「副収入」にとどまる

 だが、専門家は「そううまくはいかない」とみている。米CNBCによると、米調査会社イーマーケターのジャスミン・エンバーグ上級アナリスは、当面ツイッターの主要な収益源は広告収入であり、クリエーターから受け取る手数料は「副収入」にしかならないと指摘する。

 ただ、クリエーターが同社の広告事業にもたらす経済効果は大きいという。イーマーケターはツイッターの21年の広告売上高が前年比28.7%増の40億3000万ドル(約4400億円)になるとみている。ツイッターの企業価値とは、1日に数時間を費やす利用者によってもたらされている。そうした利用者はクリエーターの投稿を閲覧するためにプラットフォームに集まってくる。

 そのうえでツイッターが目指すべきものは、継続して利用者を引き付けること。クリエーターはその目的に必要不可欠だとしている。

クリエーターが稼げる手段、続々と

 ツイッターは21年5月、有料ニュース配信サービスを手掛ける米スクロールを買収すると発表した。21年1月には有料ニューズレター(メールマガジン)配信プラットフォームを手掛けるオランダ企業、レビューを買収した。開発中のサブスクリプション(継続課金)型プレミアム機能でこれら企業のサービスを提供する計画だ。

 また、21年5月にはクリエーターにチップ(投げ銭)を送れる「チップジャー」の試験運用を始めた。ほかにもニューズレターなどの限定コンテンツをフォロワーに配信するサブスクサービス「スーパーフォロー」や、音声ライブ配信機能「スペース」のチケット(入場料)制も計画中だ。