ハイブリッドワーク、ジョブ型雇用、プロジェクト型組織など、さまざまな垣根を越えたオープンな働き方が求められる時代が来ている。旧来型の組織一辺倒では、新たな勝ちパターンを見いだすことはできない。未知の領域で価値を生み出すために、どのように変わっていくべきか。ワークスタイル・組織開発の専門家である沢渡あまね氏が、コミュニケーションの側面から、新時代に勝てる組織のつくり方を解説する。

※本コンテンツは、2022年3月4日(金)に開催されたJBpress/JDIR主催「第1回 コミュニケーション改革フォーラム」の特別講演1「新時代のコミュニケーションの『勝ちパターン』」の内容を採録したものです。

ハイブリッドワークが進む時代に向け、コミュニケーションのアップデートを

 「雑談や相談がしにくい」「他部署とのコミュニケーションがおろそかになった」「『部長リサイタル』な定例会議」「新参者が孤立する」「上司の監視が窮屈」など、テレワークにまつわる「残念な職場コミュニケーションあるある」は多い。しかし、『組織変革Lab』主宰であり、作家でもある沢渡あまね氏は、「むしろこれらは、元来あったコミュニケーションのやり方の悪さやリスクが、テレワークのおかげで露呈したものといえます」と指摘する。

 今、働き方において、異種をかけ合わせる「ハイブリッド化」が進んでいる。例えば、オフィス、工場、自宅、あるいはコミュニティスペース、コラボレーションスペースなどで仕事をする「働く場所のハイブリッド」。副業の解禁や、副業人材の登用などによる「顔のハイブリッド」。そして金融とIT、化粧品メーカーと美容院など、異業種、異職種のコラボレーションである「業種・職種のハイブリッド」だ。沢渡氏は「これからの時代は、ハイブリッドで価値を出していく働き方に向き合っていかなければなりません」と示唆する。

 ハイブリッド化が加速していくと、必ず組織変革が求められてくる。高度経済成長期に日本をけん引してきたのは、大量生産を前提とした「統制型」の組織だ。同質性の高い人たちが長時間・長期間にわたって、指揮系統に沿って決められたことをこなしてきた。しかしこれからは、異質な人たちと最適な時間・空間で、答えのないテーマや課題に向き合う「オープン型」であることが、より重要になってくるという。

「統制型、ピラミッド型の組織のメリットや合理性を、否定するわけではない。あくまでハイブリッドで価値を出せるようになるために、部分的にでもオープン型のマネジメント、コミュニケーションを取り入れ、慣れていく必要があるのです。そのためには、組織におけるコミュニケーションの常識をアップデートしていかなければなりません」