※本コンテンツは、2022年2月28日(月)に開催されたJBpress/JDIR主催「第1回 戦略人事フォーラム」の特別講演Ⅰ「ソフトバンクの人材戦略と女性活躍推進」の内容を採録したものです。(役職等は講演時点のもの)

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「情報革命」を担う、ダイバーシティな組織を目指して

 ソフトバンク株式会社は1986年の設立以来、「情報革命」を主軸にして突き進んできた。一方で、日本テレコムやボーダフォン日本法人などを合併・統合しながら大きくなった企業という側面も持つ。社員の出身企業はさまざまで、ダイバーシティな環境だ。さらにグループ内には主軸の通信事業だけではなく、Yahoo! JAPAN、LINE、PayPayなどのサービスを展開する多彩な企業群がある。

 「これらグループ企業とのシナジー(相乗効果)が新規事業を生み出し、これからの成長を支えていくことになります。われわれが目指すのは、グループ企業とコラボレーションしながら『総合デジタルプラットフォーマー』になることです」

 そのために多様な「人と事業をつなぐ」ことが、ソフトバンク人事の不変のミッションである、と杉原倫子氏は熱く語る。

ソフトバンクが掲げる3つの人事ポリシー

 「ソフトバンクは人事のポリシーとして、『勝ち続ける組織の実現』、『挑戦する人にチャンスを』、『成果に正しく報いる』という3つを大きく掲げています」と杉原氏は語る。このポリシーは通信3社(当時のソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム)の人事制度を統合して、共通した新たな人事制度を開始した2007年4月以来の基本的な考え方だ。

 まず、人事ではそれぞれが担う役割に応じて評価する「ミッション定義に基づく評価」、日々の働きぶりを評価する「コア能力・バリュー評価」、仕事の成果や組織への貢献度を測る「貢献度評価」という3つの評価軸を採用している。

 この中でも、最もソフトバンクらしいと言えるのが「ミッション定義に基づく評価」だ。日本企業で慣習となってきた年功序列、勤務年数、性別などに一切捉われず、その人が担うミッションや実力に応じて、等級(グレード)を決めていく評価である。この評価は年に一回行われる。