罰金は世界売上高の最大6%
同法に違反した場合は、世界売上高の最大6%の罰金を科される可能性がある。今後は、欧州議会と加盟国による最終合意を経て、早ければ年内に施行される見通しだ。施行後15カ月または2024年1月1日のいずれか遅い時期に各企業に対する法が適用されるという。
ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、規制対象となるのは、米グーグルなどの検索エンジン企業や、米メタ(旧フェイスブック)や米ツイッター、TikTok(ティックトック)などのSNS(交流サイト)。米アマゾン・ドット・コムなどのオンラインマーケットプレイス運営企業にも影響が及ぶという。
仮にメタが罰金を科された場合、その金額は最大70億ドル(約9000億円)に上るとCNBCは報じている。
EUでの今回の合意を受けてグーグルは声明を出し、「DSAの目標を歓迎する」と述べた。その一方で、「法律がすべての人に有効であることを確実にするために、EUの政策立案者と協力して技術的な詳細を明確にしていきたい」と述べた。
ツイッターも声明を出した。同社は「オンライン上の弊害とオープンなインターネットのバランスに取り組む賢明で前向きな規制を支持する」としたうえで、「画一的なアプローチではオンライン環境の多様性に配慮できないことも理解している」と述べた。
巨大IT包括規制するEUの2法案
欧州委は20年12月にDSAとともに「デジタル市場法(DMA)」も公表しており、こちらも先ごろEUで合意された。DMAは巨大プラットフォーム企業の競争力を抑制することを目的としている。施行されればアップルやグーグルはアプリストアの課金プラットフォームを広範に開放せざるを得なくなるとみられている。
DMAでは、時価総額が750億ユーロ(約10兆3200億円)以上か、EU域内の年間売上高が75億ユーロ(約1兆300億円)以上の巨大企業を「ゲートキーパー(門番)」に指定し、ルールを順守させる。欧州委のベステアー上級副委員長は先ごろ、このDMAについて22年10月に施行されるとの見通しを示していた。
(参考・関連記事)「EU、巨大IT企業規制の「デジタル市場法」合意 | JDIR」