モビリティ、エネルギー、パブリックスペース、環境課題解決-柏の葉で実現されていく「世界の未来像」
柏の葉スマートシティは『「世界の未来像」をつくる街』というコンセプトのもとに発展してきた。そのコンセプトどおり、未来的・先進的な試みが多方面で展開されている。
その1つがモビリティだ。柏の葉キャンパス駅と東大柏キャンパス間を結ぶ交通網には、すでに自動運転バスが導入されている。東京大学が運行しているこの自動運転バスに関しては、現在レベル4(特定条件下における完全自動運転)実現に向けた実証実験が行われているところだ。この事業において同社は、柏市、UDCKなどと連携しながら、実証実験環境の整備、テストコースの提供により、自動運転関連の技術開発を行う企業を支援するなどし、自動運転社会の実現に貢献している。
エネルギー分野では、同社は所有するAEMS(エリアエネルギーマネジメントシステム)を、実証実験フィールドとして、先端技術を開発するベンチャー企業等に提供。例えば、太陽光パネルの部品劣化状況を自動検知するシステムを開発している企業に対し、試験運用を支援することなどで、エネルギー供給の効率化・コスト削減に向けた技術発展に貢献している。ホテルやラボの建設だけでなく、こうした場面においても、同社は場を提供することで、様々な企業・アカデミア・行政などと協働し、社会課題の解決を実践しているのだ。
3つ目は、パブリックスペースだ。駅前周辺にAIカメラとセンサーを設置し、混雑状況等の情報を提供したり、異常行動を検知して、見守り・防犯などの情報提供に役立て、安全・安心な街づくりに貢献する。
このように、これまで柏の葉で先進的な取り組みを数々行ってきた同社だが、現在さらなる高みを目指しているという。
「近年、SDGsが重視されるようになり、スマートシティの概念が変わってから、取り組みの幅・視野がより広がりました。現在は、柏の葉の街づくりにおいて、どのように脱炭素社会実現に貢献できるか、あるいはさらなるデータ活用範囲の拡大についてなど、新たな検討を開始しています」(吉崎氏)