ロシア、フェイスブックへのアクセスを遮断
メタは22年2月28日、欧州連合(EU)域内でロシア政府系メディアへのアクセスを制限すると明らかにした。SNS(交流サイト)のフェイスブックで、投稿内容のファクトチェックを行い、問題のあるものに注記をつけたほか、収益化を阻止するために政府系メディアによる広告出稿を禁止した。メタは全世界で政府系メディアのコンテンツの表示順位を下げる措置も取った。
このメタの対応をロシアは批判。通信監督庁は22年3月4日、ロシアメディアに対する「差別」があったとして、フェイスブックへのアクセスを遮断した。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによるとロシア当局はツイッターへのアクセスも制限している。また、3月4日にはロシア軍に関する「偽情報」を広めた場合、最長で禁錮15年の刑を科す法案にプーチン大統領が署名し、法が成立した。これによりロシアは国内の多くの独立系メディアを事実上沈黙させたと、同紙は報じている。
「Splinter」+「Internet」
一方で西側諸国のIT(情報技術)企業は相次いでロシアでの事業停止を明らかにしている。動画配信大手の米ネットフリックスは同国でサービスを停止する。ネットフリックスはロシアでの番組制作なども見合わせた。政府系テレビ局などの放送の配信を義務付ける新たな規制に従わない意向も表明した。グーグルはモバイルOS「Android」向けのアプリストアで、有料アプリとサブスクリプション(定額課金)サービスの販売を中止すると明らかにした。
IT企業のロシアでの事業停止がいつまで続くかは分からない。だが、専門家はこれをグローバルインターネット分裂の新たな動きだとみている。インターネットはこれまでいくつかの国家の圧力によって徐々に引き離されてきた。
例えば、中国やイラン、トルコなど。西側諸国でも、企業にデータをローカルに保存することを求める新たな法律や、特定の種類のコンテンツに関する規制といった動きが広がっている。かつては存在しなかったインターネット上の国境がつくられつつあるという。
こうした現象は、「スプリンター(分裂)」と「インターネット」を組み合わせた造語「splinternet(スプリンターネット)」で表現されるという。
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