米アマゾン・ドット・コムが倉庫従業員のマスク着用義務をなくすと、米ウォール・ストリート・ジャーナルなどが2月11日までに報じた。10日に従業員宛のメモで告知し、11日に着用義務を撤廃した。同時に新型コロナ関連の病気有給休暇の適用範囲も見直した。
マスク着用義務を撤廃、「オミクロン減少で」
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンでは、変異型オミクロン株の急激な感染拡大を受け、2021年12月に全従業員を対象にマスク着用を義務付けた。それ以前はワクチンを接種していない人のみを対象にしていた。
アマゾンは今回、社員宛のメモで「この数週間、全米で新規感染者数が急速に減少している。全国的にワクチン接種率も上昇しており、私たちが通常の活動に戻れる明るい兆しが見えてきた」と述べた。
アマゾンの今回の措置は、米国各州の方針転換に合わせた形で決定された。ニューヨーク州やイリノイ州、マサチューセッツ州などは、屋内でのマスクの着用義務や、イベント参加時などのワクチン接種証明の提示義務を22年3月末までに撤廃すると明らかにしている。
ただし、地下鉄やバスなどの公共交通機関や医療現場、学校などでは引き続きマスクの着用が義務付けられる。これに対し、米疾病対策センター(CDC)は引き続き屋内での着用を推奨している。
ワクチン接種を事実上義務化
アマゾンが21年10~12月期の決算発表で公表した21年12月末時点の世界従業員数は160万8000人。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、うち約100万人が米国従業員で、その大半が米国に数百カ所ある物流施設で働いている。
米マイクロソフトや米メタ(旧フェイスブック)などの一部の米企業は、すべての従業員に対しワクチン接種を義務付けているが、アマゾンでは義務化せず、代わりに少額のボーナスを支給するなどして接種を促してきた。