一方、米CNBCは、「アマゾンはより多くの雇用主と同様の契約を結んでいるようだ」と伝えている。アマゾン・ケアのババク・パービズ副社長は21年6月、米ウォール・ストリート・ジャーナルのヘルステックに関するオンラインイベントに出席し、「当社のサービスには多くの会社からかなりの関心が寄せられている」と述べ、「できるだけ早く対象地域を広げ、将来は地方でも提供する」と意気込みを示していた。
社員向けクリニックやオンライン薬局も
アマゾンは社員向けクリニックを開設したり、オンライン薬局を立ち上げたりしている。米CNBCによると、同社は20年7月、米医療サービスのクロスオーバーヘルスと提携し社員向けクリニックを開設すると発表。すでに、カリフォルニア州やテキサス州、アリゾナ州、ケンタッキー州、ミシガン州の計17都市で展開している。
また、20年11月には、米国で処方薬のネット販売事業「アマゾン・ファーマシー」を始めた。同事業の前身は、18年に約8億ドル(約925億円)で買収した米国のオンライン薬局企業ピルパック(PillPack)。患者が医師からもらった処方箋をネットで受け付け、複数の薬を服用時間帯ごとに分けて一包化し、米国内49州に宅配していた。
遠隔医療市場、30年までに19.8兆円規模に
一方、米調査会社のレポート・オーシャンによると、世界の遠隔医療市場は30年までに1711億3000万ドル(約19兆7800億円)規模に達する見通し。30年まで毎年20.5%の成長率で拡大すると同社はみている。医師不足やネットの進歩、新型コロナと在宅の広がりなどが背景にあるという。