米アルファベット傘下のグーグルは1月14日、英国ロンドンにある高層複合ビルのオフィス部分を10億米ドル(約1140億円)で取得すると明らかにした。
英国で1万人規模のオフィス空間確保
取得するのはウエストエンド地区にある多目的開発施設「セントラル・セント・ジャイルズ」のオフィス部分。ビルはイタリアを代表する建築家、レンゾ・ピアノ氏が設計した。近くには大英博物館がある。
グーグルによると、英国では2021年に700人近くを新規採用しており、現在は6400人以上の従業員がいる。今回取得するオフィス施設を含めて、1万人規模の従業員が働けるオフィス空間が確保されるとしている。
同社の英国・アイルランド担当副社長のローナン・ハリス氏は「オフィスが対面での共同作業や社員連携の場であると確信している」と述べた。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、グーグルは内部をリフォームし、「チームポッド」と呼ぶレイアウト変更可能な空間や、屋外作業スペースを設ける計画。米国のオフィスで試験導入している「キャンプファイア」と呼ぶ円形状の会議室も導入する。室内には複数台の大画面ディスプレーが設置されており、対面とオンラインで会議に参加する人同士が違和感なく会話できるという。
グーグルも他の米IT大手同様に、新型コロナ感染症対策として在宅勤務制度を導入している。だが、同社はこれまで「会社業務を遂行するうえで中心的な場所となるのはオフィスだ」とし、対面で働くことの重要性を強調してきた。
米テック大手、施設拡張に積極投資
グーグルは21年3月、年内に70億ドル(約8010億円)以上を投じ米国内でオフィスやデータセンターを拡張すると明らかにした。本社のあるカリフォルニア州で10億ドル超を投じるほか、米国の計19州で施設を拡大し、少なくとも1万人のフルタイム従業員を新規雇用するとしていた。