テック&エンタメ面でのリベンジマッチとなるか

 今回初回のトライアルということで、(商業面では成功を収めたものの)テクノロジーとエンターテインメントの面ではいささか期待外れの結果に終わったIACだが、2022年1月7日にラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されるCES版オートノマス・チャレンジは主催者と参加チームにとって格好のリベンジマッチとなる可能性がある。

 まず、参加チームだが、優勝したミュンヘン工科大学チーム、最速の平均速度を記録した「ユーロレーシング」に加え、ファイナリストに残った「ポリムーブ(PoliMOVE)」の他、マサチューセッツ工科大学やピッツバーグ大学などからなる「MIT-PITT-RW」、韓国の「KAIST」(韓国先端科学技術研究所)の合計5チームがエントリーする見込みだ。

 IACでは惜しくもプログラムミスで優勝を逃したユーロレーシングは、捲土重来を期して、アグレッシブなレースを仕掛けてくるに違いない。

 また、CTAのプレスリリースによると、第1回のIACでは残念ながら実現が見送られた混走方式による決勝レースが予定されているようで、IACで当初、予定されていたコース20周程度の戦いになれば、各大学チームが開発した自動運転レーシングカーのテック面での実力を見極めるという意味で大いに期待が持てる。

 オートノマス・チャレンジ@CESはCES参加者のみのクローズドイベントとして開催される。会場のラスベガス・モーター・スピードウェイはラスベガス市街の北東部、有名なネリス空軍基地の先の砂漠地帯に位置する。

 CES 2022ではメイン会場のラスベガス・コンベンションセンター(LVCC)正面から送迎バスが出るとのことなので、土地勘の乏しい日本からの来場でもアクセスの心配はないだろう。

 折しも、新型コロナウイルスの変異種・オミクロン株流行の兆しが顕在化し、著者の来年年初の米国への渡航自体も不透明になりつつある。しかし、仮に渡航が認められる状態がキープされ(もちろん十分な感染対策を行った上で)、2年ぶりにCESの会場に立てるとしたら・・・。

 滞在を少しだけ延長して、ラスベガス・モーター・スピードウェイのメインスタンドの青空の下、しばしコロナ禍を忘れ、近未来のフォーミュラカーレースを観戦して贅沢な時間を過ごすのも悪くないかもしれない。